安全週間
被災者、家族に思いを致す
スローガンは「多様な人材 全員参加 みんなで育てる安全職場」――。来月(7月)1日から「全国安全週間」がスタートする。6月は同週間の“準備期間”だ。
週間を主唱する厚生労働省や中央労働災害防止協会は本週間や準備期間中、安全広報資料の作成・配布、安全パトロールの実施、安全講習会の開催など週間にふさわしい行事の実施を求めている。
厚労省の調べでは、全国の職場で発生する労働災害は近年、死亡災害は減少傾向にあるものの、休業4日以上の死傷災害は2009年以降増加傾向が続いている。
警備業も同様で、25年(1〜12月、3月6日現在)の死亡災害は前年比4人減の23人、死傷災害は同258人増の2322人。死傷災害の増加が際立っている。
事故の型は「転倒」が最も多く1010人、次いで「交通事故(道路)」290人が続いている。
特に「転倒」は高齢者に多く発生しており、警備員の高齢化が進んでいる警備業の死傷災害増加につながっている。なかでも、高齢者の転倒は若年層に比べ重傷化しやすく休業日数も長期化する。高齢警備員が転倒して数日後に死亡するという事例も発生している。
労災は統計ではない
労働災害は厚労省の統計数値だけではない。被災者には、それぞれ思い描いていた人生があり、夫・妻・子、親兄弟などの家族がいることを忘れてはならない。
朝、元気に職場に出掛けた人が、変わり果てた姿で帰宅する――。志道半ばで絶たれた被災者の無念さ、大切な人を突然失った家族の言い尽くせぬ悲しみに思いを致せば、労働災害がいかに残酷なことであり、あってはならない・起こしてはならないことであるかが理解できよう。
さらに、労働災害は大きな経営リスクでもある。
労災防止措置義務違反による労働基準監督署による送検、契約先からの指名停止や取引停止、被災者やその家族からの民事損害賠償の訴え、“風評”による人材募集難――など企業経営への影響は計り知れない。
6月の安全週間準備期間を機に、自社の労働災害防止の取り組みを再度見直し、警備員をはじめとする全ての従業員が安全で快適に働ける職場づくりに取り組んでいただきたい。
【休徳克幸】


