会計検査院
「施設警備」理解の契機に
警備契約の「不備」を指摘――。本紙1面で報じた、財務局の施設警備発注の際の仕様書に会計検査院が不備を指摘したニュースは、一部の一般紙などでも取り上げられた。いずれも「応札価格が高くなった可能性がある」「適切な警備体制が執られていなかった」といった内容の報じ方だった。
会計検査院の指摘する「不備」とは「入札公告で示した仕様書に、警備員の休憩・仮眠時の警備体制が記されていなかった」というものだ。
入札に参加した警備会社の半数は、求められている警備体制を、財務局の想定とは異なり、警備員が休憩・仮眠中、必ず他の警備員が配置に就く警備体制と解釈、応札した。これにより「応札金額が引き上げられた(より低い金額で応札することが可能だった)」と会計検査院は指摘した。
警備員の休憩・仮眠中、警備員が現場に配置されていない時間帯があったが、警備会社は休憩・仮眠中でも緊急時には警備員が駆け付ける警備体制を執っていたと主張。しかし、休憩・仮眠中の時間に対し賃金が支払われていなかったために、会計検査院は「休憩・仮眠中には警備体制が執られていなかった」と判断した。
財務省は財務局発注の警備業務について「仕様書で24時間体制での警備を要求しているものもある。合同庁舎閉庁時には、定期巡回、電話対応、非常時に備えての待機などの業務がある。契約した警備会社は労働基準法などを順守して、同法に基づき警備員に休憩や仮眠を与えた上で警備業務を実施することとなる」――としている。
警備員が休憩・仮眠中、他の警備員を配置することは、労基法順守や適正な警備業務実現のためには不可欠。人員増による金額増は当然のことだ。
緊急時の対応が求められていた警備員の休憩・仮眠中の時間に対して賃金が支払われていなかったのは、おそらく、それに見合う警備料金が支払われていなかったのではないか。そればかりか、同対応は労基法違反の疑いさえある。
今回の会計検査院の指摘により、財務省や他省庁、さらには民間発注者に対しても、施設警備への理解が進み、労基法順守を反映した適正な警備員配置、これを可能とする適正警備料金での業務発注が広がることを期待したい。
【休徳克幸】


