最低賃金
価格転嫁、生産性向上を
2026年度の新たな「最賃」は――。本紙が皆さんのお手元に届くころには、今秋から適用される地域別最低賃金(最賃)引き上げの「目安額」が決定していることだろう。
最賃は近年、コロナ禍の時を除き大幅な引き上げが続いている。石破政権は2025年の「骨太の方針」で「20年代に(時給)全国平均1500円」を目標に掲げた。高市政権は「30年代前半できる限り早期に全国平均1500円」と骨太に明記、達成時期を先延ばししたものの、「20年代に全国平均1500円」という“高い”目標は維持。引き上げは1500円達成まで今後も続くと思われる。
一方で、最賃引き上げはマンパワーに頼らざるを得ない警備業には頭の痛い問題。特に最賃相当額で警備員を雇用あるいは採用している警備会社への影響は深刻だ。
罰則規定を持つ最低賃金法の順守は当然ながら、最賃を上回る賃金実現は、新たな人材の確保や警備員の定着にもつながる。
そのためにも、最賃アップなど人件費増の警備料金への転嫁(価格転嫁)は欠かせない。
政府が骨太に前後して示した「日本成長戦略」では、官公需契約での警備業の適切な価格転嫁推進に言及した。「労務費上昇を踏まえて官公需の単価・予算を見直す。低入札価格調査・最低制限価格基準の適用徹底を図る」と明記、賃上げ環境を整備する意向だ。
省力化投資プランの対象
全国警備業協会の黒木慶英専務理事は、地区警備業協会連合会(地区連)会合などで機会あるごとに「最賃1500円実現のためには労働生産性25%向上が不可欠」と指摘する。
最賃引き上げに対応するには、価格転嫁に加え、警備ロボット活用や労務管理・管制システム導入などによる警備業務や管理業務の省力化など労働生産性向上も併せて行うべきという訳だ。
政府は昨年、29年度までに24年度比で労働生産性25%向上を目指す「省力化投資促進プラン」の対象業種に警備業を指定した。
国の支援を活用した生産性向上と人件費増を受けた価格転嫁。これら両取り組み推進が、最賃引き上げへの対応や警備員の処遇改善につながる。
【休徳克幸】


