3・11伝える「一本松」
3月11日
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更新日:8月20日
東日本大震災15年
5年ぶりに訪れた岩手県陸前高田市は、時おり雪の混ざる北寄りの強い風が吹いていた。風を背に海岸方向に目を向けると、強風に抗うように天に向かってそびえ立つ一本の松が見える。津波で大切な人を失った地元の人をはじめ、震災で傷ついた全国の多くの人に希望を与えた「奇跡の一本松」だ。
2011年3月11日の東日本大震災により発生した高さ約18メートル津波は、日本百景にも選ばれたことのある7万本を超える松林「高田松原」をなぎ倒して街中心部を飲み込んだ。
全壊または半壊した被害住家は総世帯数の約半数の4041世帯。市民の避難場所となっていた市役所や市民体育館なども津波によって全壊した。死者数は1550人、行方不明者は207人。当時市内で警備業を営んでいた「三陸警備保障」の社長夫妻は今も行方不明者のままだ。
再び津波による犠牲者を出すまいと、市の沿岸部は約12メートルの“かさ上げ”が行われた。所々にある“窪地”に見えるのは、津波で大きく損壊した商業施設などの建物。「震災遺構」として保存されている。塩害などで枯れてしまい、現在は樹脂製となった奇跡の一本松とともに、「3・11」を今も伝えている。


