宮城警協「警備員避難基準」を策定
安全確保、会員に呼び掛け
宮城県警備業協会(後藤公伸会長)は「大規模災害発生時の警備員避難基準」を策定し、8月4日に会員に周知した。「警備員の生命・身体の安全確保を最優先とすることは何より重要。本基準を参考に災害対応の参考にしてほしい」と呼び掛けている。
「大規模災害発生時の警備員の避難基準」は、警備業務中に大規模災害が発生した際、警備員の安全を最優先として業務を中止し避難行動を確保する指針として取りまとめた。
協会が基本方針を示すことで、各社が独自に作成しているマニュアルの再検討や同基準を参考に警備業務を実施する地域や現場の特性を踏まえた避難基準、現場ごとの避難計画や警備員に対する教育などの取り組みを会員に促している。
同基準では「避難判断に当たっての留意事項」として次のように明記した。
(1)災害時は警備業務の継続よりも警備員の生命・身体の安全を優先。
(2)危険が切迫していると判断した場合、避難指示の発令や会社からの指示を待つことなく、警備員自らの判断により直ちに安全な場所へ避難する。
(3)津波のおそれがある地域では、強い揺れ、または長時間にわたる揺れを感じた場合、津波警報の発表を待つことなく、高台など安全な場所へ避難する。
(4)避難場所までの移動時間、避難経路上の危険を考慮し、津波や洪水の災害到達予想時刻が公表されている場合は、予想時刻の10分前までの避難完了が原則。予想時刻が公表されていない場合も、時間的余裕をもって避難を開始――など。
避難後の対応については▽可能な範囲で会社に対し、自身の安否と避難状況を報告▽通信手段が確保できない場合は、あらかじめ定めた方法で安否確認▽会社は、必要に応じ発注者、関係機関へ状況を報告、連絡調整を行う――など。
平常時の備えとして勤務場所ごとの災害リスクや避難場所を事前に確認し警備員に周知することや、災害発生の認知・避難判断・行動・報告などの「基本フロー」も明記した。
あわせて、災害時の基本原則として「危険を感じたら、直ちに避難する」「安全が確認されるまで、現場に戻らない」ことを呼び掛けている。
「発注者と事前調整を」
東日本大震災では、宮城警協加盟社の警備員24人が犠牲となった。協会は、震災の教訓を風化させず、将来の大規模災害に対し発災時から復興に至るまで一貫した対応を実践できるよう、防災委員会(千葉桂悦委員長=清建)を中心に活動を重ねてきた。
避難基準の公表は当初、今秋を予定していたが、「令和8年熊本地震」が7月28日に発生したことを受けて前倒しした。
防災委員会では、次のような意見があった。
「警備員が避難判断を行うために日頃から警備現場における防災情報の取得を習慣化する必要がある」。
「発注者や現場責任者との事前調整、共通認識を持たなければならず、協会が避難基準を作成することは意義がある」。
「災害ごとに具体的な避難のタイミングは違うもの。協会が方針を出すことで縛られてしまわないか」。
「日頃からの災害の備えについて明記し、警備員教育で取り上げていくべきだ」――など。


