AIと警備業
新たな警備のカタチを
米国・マイクロソフト社創業者のビル・ゲイツ氏がこのほど、自身のウェブサイトにAIに関する興味深い見解を示した。わが警備業界に重ね合わせながら考えてみたい。
ゲイツ氏は、AIが今後10年間のうちにサービス業や製造業などの雇用に大きな影響を及ぼすと予想。「AIの進歩を遅らせる計画があれば、私は支持するだろう」とまで述べている。
同氏は、AIによりホワイトカラーの仕事は既に打撃を受け、特に生成AIに代替されやすい若者の雇用が大幅に減少していると指摘。ブルーカラーについても、スマートロボット(AIを取り入れたロボット=フィジカルAI?)は、建設業界や接客業界(サービス業)などの物理的作業で人間と競争を始めると予想。誰もがAIがもたらす繁栄を共有できるように、雇用喪失を減らす方法を考えなければならないと述べている。
さらに、AIにより人間が追いやられ(失業?)、再教育や社会保障からの支援が必要となるとし、その原資としてAIやロボットへの課税が必要だと指摘する。そして最後に「前例のない技術は、前例のない世界的な対応を求めている」とAI普及による大量失業などに警鐘を鳴らしている。
生産性向上=省力化?
警備業でも交通誘導警備や施設警備、雑踏警備など多くの分野で既にAIの活用が始まっている。特に昨年末、企業の生産性向上を政府が支援する「省力化投資促進プラン」の対象業種となってからは、そのスピードが加速している感がある。
わが国の出生率低下や高齢化進展など労働力人口減少の現状を見れば、また、警備品質や生産性の向上のためにもAI活用は不可欠だろう。
一方で、製造業のように生産性向上の「可視化」が難しい警備業では、生産性向上=省力化(人減らし)と捉えられやすい。
業務を見直し無駄を省くことは大いに結構。しかし、安易な人員削減は、いずれ企業力(警備力)低下につながりはしないだろうか。
警備は最後は人――。警備業ではよく耳にする言葉だ。人とAIを駆使した「新たな警備のカタチ」による「新たな付加価値」づくりが、次代の警備業には求められている。
【休徳克幸】


