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特集ワイド 業務管理を効率化

5月21日
読了時間: 8分

ビジコン・ジャパン(横浜市中区、福田幸雄代表取締役)の「警備Pro(プロ)」は、警備業に特化した業務管理システムだ。管制システムのパイオニア(先駆者)として、35年にわたり1000社以上の警備会社に提供されてきた、今も人気を集めるロングセラー商品である。「警備Pro」の最新機能について、同社・福田光太郎取締役副社長に話を聞いた。

「警備Pro」35年の実績と信頼

ビジコン・ジャパンは1991年の創業からまもなく、警備業をはじめとする70業種のオリジナル業務管理システムの開発・提供を開始した。

警備業は、現場への直行直帰や当務(24時間勤務)など、勤務形態に複雑な一面がある。市販の業務管理ソフトでは対応が難しいことから、ビジコン・ジャパンにはオリジナルのシステム開発を依頼する警備会社が多かった。開発を続けるうちにノウハウが蓄積され、2003年に警備業のバックオフィス業務をパッケージ化した「警備Pro」を開発、販売を開始した。以降、時代の流れやユーザーからのニーズと共に改良を続けた。

「警備Pro」は警備業務に欠かせない基本業務を一元管理する管理システム。対象業務は1号警備・2号警備で、管制表にデータ入力することで請求・給与計算と連動し、経理ソフトなどに勤務実績を入力する手間と時間を大幅に削減できる。

情報を社内でリアルタイムに共有することで、管制や事務の担当者が不在の場合でも業務が停止する属人化を防ぐことができる。ユーザーの業務環境や要望に合わせて、柔軟にカスタマイズ(作り変え)を依頼することも可能だ。

使用目的により、オプションで販売されているさまざまなシステム「警備Proシリーズ」と組み合わせることができる。シリーズの各システムの内容は次の通り。

■教育Pro

警備員名簿を写真や情報とセットで管理できる。新任・現任の教育計画・実施状況は可視化でき、立ち入り検査時の提出資料が迅速に作成可能だ。

■スマホde勤怠

隊員は上・下番連絡をスマートフォンで簡単に入力、管制に報告することができる。警備本部からの作業指示や給与明細をスマホで確認可能。

■スマホdeサイン

作業日報や報告書をスマホ画面で作成し、現場責任者の手書きサインをもらうことができる。メールで提出することで業務効率が向上しペーパーレス化を実現する。

■年調Pro

「警備Pro」の給与データを使用して、複雑な給与体系でも簡単に年末調整などの計算や帳票作成に対応する。

■備品Proクラウド

制服や無線機など備品の貸し出し・返却状況をひと目で確認できる。備品の紛失や貸し出しの重複などを防ぐ。

◇

「警備Proシリーズ」は、今後2点のオプションシステムの販売を予定している。

1点目は、交通誘導警備業務の「資格者配置路線」の確認システム。交通誘導警備現場の住所を入力すると、一定の範囲内に資格者配置路線が存在するかを知ることができる。

2点目は、発注元からの人数・期間などの発注予約システム(仮称=予約Pro)。発注受付から請求まで、全ての工程をシステム内で連動させることが可能になる。

「警備Pro」は導入までの期間は、自社の業務に合わせるなどのカスタマイズがない場合は、契約から約3か月後の稼働が目安。具体的には契約後1〜2週間で納品、約2か月かけて操作説明(指導教育は2時間×5回)を行う。

カスタマイズがある場合は、1〜3か月かけて仕様打ち合わせ・設計を行い、1〜6か月(作り変えの内容・ボリュームで期間が変動)でプログラム開発・試験運用となる。

システム導入後もユーザーごとに専任の担当者がつき、電話やメール、リモートなどで状況に応じたサポートを続ける。

▽問い合わせ先 ビジコン・ジャパン ☎045―341―0246(担当・福田氏)

「KUMOCAN」と連携

「警備Pro」は今年2月、straya(ストラーヤ・東京都新宿区、渡辺拓也代表取締役CEO)のクラウド管制システム「KUMOCAN(くもかん)」とシステム連携を行った。

「警備Pro」は、長年の警備業に特化したシステム開発経験から、請求や給与計算、備付書類作成、教育、年末調整など、警備業特有のバックオフィス業務を担う。一方の「KUMOCAN」は、管制業務の効率化やAIを活用した人材課題(離職抑制など)の解決を担う。

「警備Pro」ユーザーは、基幹システムを使いながら、管制や人材DXを段階的に導入するシステム改善ができる。新規ユーザーは基幹・管制・人材など各分野でハイレベルな構成で導入可能だ。

両システムがそれぞれの得意領域の開発を深めていき、その成果を連携させることでユーザーに高い価値を提供する新しい取り組みだ。

福田副社長は「管制システムを開発・販売する競合会社が増えました。各社で切磋琢磨して機能や品質を向上させることは大切です。しかしシステムを活用する警備会社の皆さまにとっては『ベストなシステムを導入すること』が重要です。それは警備業界のDX化を加速させることにもつながります。strayaさんも同じ思いで、今回の連携に至りました」と話す。

導入事例① ゼンコー

ゼンコー(さいたま市、海野弘幸代表取締役)は、首都圏で1号・2号警備を中心とした業務を提供する従業員数約1800人の警備会社。小澤聡常務執行役員と警備業務部・山口一郎部長に話を聞いた。

同社では導入前、勤務実績をもとに請求書を手書きで作成していた。手間と時間がかかり、転記ミスも発生し課題となっていた。

作業の効率化と精度向上を図るため2004年、社内に「システム委員会」を設置。口コミで評判を聞いた「警備Pro」の導入を検討した。業務に合わせてシステムを独自にカスタマイズし、05年に試験的に従来の作業と併用した後、本格稼働に至った。

警備士と顧客の情報を入力し、管制業務と請求業務、賃金支払い業務を連動させた自動化を実現。3業務の一元管理により、作業の効率と正確性が大幅にアップした。

19年には「警備Proシリーズ」の「スマホde勤怠」と連動。警備士への作業指示などの連絡、警備士からの上・下番報告などを自動化することで、電話によるやり取りがなくなり、勤怠管理を自動化。バックオフィス業務はさらに効率化された。

導入後、現場ではさまざまな声があった。管理者からは「システム移行の直後は操作に慣れる必要があり不安でしたが、すぐに扱えるようになって仕事が楽になりました」と好評だった。

警備士からは「電話での報告や指示では『言った言わない』の問題が起きやすかったのですが、スマートフォンの打刻による上・下番報告やテキストによる指示となり、確実に伝わるようになりました」との声があった。

導入時の操作方法などの教育については、システム委員会が研修会を開いたほか、ビジコン・ジャパンの担当者が参加・指導する勉強会を開催して対応した。

小澤常務執行役員は「管理システムで今後重要になるのは、他のシステムとの連携です。連携できず再入力などの作業が必要となるようでは非効率だからです。警備Proはその点、柔軟性があり、今後のシステム拡張において信頼できるパートナーです」と警備Proの機能性とビジコン・ジャパンのスキルの高さを強調した。

山口部長は「当社は来夏に警備Proを『クラウド版』に移行します。それに伴い一層の効率化と正確性を図る予定です。AIを活用した自動配置による管制担当者の作業負荷の軽減も視野に入れています」と語った。

導入事例② 関西シーエスピー

関西シーエスピー(大阪市淀川区、吹谷浩司社長)は、関西エリア全域で1号・2号警備業務などを提供する従業員数330人の警備会社。システムの導入・運用を担当する警備部・田島弘樹課長に話を聞いた。

同社はセントラル警備保障(CSP・東京都新宿区、市川東太郎社長)の連結子会社として、業務上の承認フローや権限管理が定められている。システム導入前は手作業で管理していたため、承認漏れや、警備員の作業実績と請求時間の不一致が発生し課題となっていた。

再発防止策を模索していた頃に「警備Pro」のことを知る機会があり、導入を検討することになった。初期の打ち合わせ段階で、ビジコン・ジャパンの担当者から「既存のソフトパッケージに業務を合わせるのではなく、業務に合わせてシステムをカスタマイズします」という方針を聞いて自社の思いと重なり、導入を決めた。

導入後の効果として「承認統制の強化」と「業務の見える化」がある。受注や勤務に関する承認フローをシステム上で管理できるようになり、権限に応じた承認が確実にできるようになった。

臨時警備などでは警備部で作成した配置スケジュールをもとに業務を行う。その際、実績表と受注金額が一致しなければ請求書を作成できない仕組みにカスタマイズしたことで勤務実績に合った請求が可能となった。警備部と営業部がシステムを共有する「見える化」により、ミスの発見や不正防止にもつながった。

管理者からは「システムを使用する前は、複雑な入力作業が必要ではないかと不安でした。しかし実際に使ってみるとシンプルで、すぐに操作方法を覚えることができました。入力した内容の確認も簡単にできます」と評価が高い。

田島課長は、今後の「警備Pro」の活用について次のように話す。

「現在は『承認統制』と『請求関係の精度向上』に活用の重点を置いていますが、今後は『受注関連の業務』について、自社の運用に合ったカスタマイズを進めていく予定です。警備Proは業務に合わせて柔軟に進化させていくことができ、長期的なパートナーとして利用していきたいと思います」。

特集

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