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特集ワイド システムで課題解決

4月1日
読了時間: 8分

更新日:8月20日

スマホで業務の効率化を実現

「ShiftMAX(シフトマックス)」は、KYODOU(東京都千代田区、澤橋秀行代表取締役)が開発・販売するクラウド型のシフト&勤怠管理システムだ。使いやすさやシステムの柔軟性、低コストが好評で、警備員の勤怠管理にかかる時間や手間を軽減する。発売から12年の間に警備会社への導入実績は100社を超えた。導入した警備会社2社を取材した。

富山県高岡市内に本社を置く警備会社・KYODOUは、2014年に東京に拠点を開設し、「シフトマックス」の開発・販売を本格的に開始した。

導入した警備会社からすぐに反響があった機能は、隊員からの上・下番報告が携帯電話による打刻方式になったことだった。隊員は指定の番号に電話をかけ、音声ガイダンスに従って番号を押すだけで報告が完了する。報告データはリアルタイムにクラウド上で集計され、管制担当者はPC画面上で全隊員の勤務状況を把握できる。

そのほかシフトマックスには次の効果がある。

▽複数拠点の管制業務データはクラウド上で一本化され、隊員のシフト予定を全社で情報共有できることから、人員の融通がスムーズになる。

▽経理システムと連動させ勤怠データを取り込むことで、給与計算を自動化させることができる。月末に隊員から集めた紙ベースの勤務実績と配置記録を突き合わせ給与計算を行う従来の作業負荷を大幅に軽減でき、入力や転記などの人為的ミスもなくなる。

▽隊員の月間労働時間や残業時間はリアルタイムに集計される。法定労働時間の超過などもシステム上で「見える化」し、基準を超えそうな場合にはアラート表示も可能だ。

シフトマックスは、こうした管制・勤怠・給与までデータを一気通貫させる基本機能のほかに、さまざまな機能を備えている。システム開発の中核を担うプロジェクトリーダー・真田颯人氏は「スマートフォンが社会に広く普及したことから、最近はスマホを活用した機能を提案する機会が増えてきました」と話す。

隊員がスマホで確認できるシフトマックスのウェブメニュー画面では、上部の円内に隊員が担当する業務の情報が表示される。その下に並ぶ10個のアイコンをタッチすることで、さまざまな機能を使うことができる。機能の一部を次に紹介する。

▽「経路案内」 隊員の自宅から現場までの鉄道や車、徒歩などによる最適な経路を紹介する。

▽「交通費精算」 鉄道の利用駅やバス停留所など公共機関を記入して自己申告。登録済みの路線情報サイトを自動検索して交通費を計算し精算を行う(オプション機能)。

▽「警備報告書」 管制が入力した情報から氏名や開始・終了時間、勤務内容などが自動で反映され、現場責任者から手書きサインをもらうことで報告書が完成する。紙の報告書で必要だった回収作業がなくなる。自動チェック機能により、報告書と契約書の内容が同じか確認する必要がなくなり、作業負担と効率化を実現する。

▽隊員は年次有給休暇や時間外労働、休日出勤などの申請をスマホ画面からできる。管理者はPCなどのシステム画面で承認の状況、適正な労働時間になっているかなどを確認可能となる。

KYODOUは、シフトマックスの機能のアップデートを日々行っている。隊員の自宅から現場までの距離や隊員同士の相性、資格の有無などの要素から最適な配置を提案する「AIによる自動配置機能」を開発中だ。

KYODOU 澤橋代表取締役

KYODOUがシフトマックスの販売開始当時から一貫して重要視していることは、「お客さまが困っている課題を解決すること」です。シフトマックスは、そのための「ツール」と考えています。

社員はシステムに精通していることはもちろん、過去の経験や事例を踏まえた「提案力」が必要になります。最近はユーザーから「KYODOUは、どんな細かい要望にもレスポンスよく対応してもらえる」と、ありがたい言葉をいただく機会が多くなりました。導入後のサポートの重要性が社内に浸透していることを実感しており、社員教育に一層力を入れていきます。

シフトマックスを長く使っているユーザーでも「豊富な機能があること」を知らない場合が多いと聞いています。今後は各社で抱える「困りごと」を解決するため、スマホを活用した機能を積極的に紹介したり、新たなサービスを提案していきたいと思います。

これからも当社とユーザーが二人三脚でより良い仕組みを構築し、各警備会社の発展に貢献することを目指していきます。

勤怠データから給与計算を自動化

セノン(東京都新宿区、澤本泉社長)は、従業員数約8000人、常駐警備・機械警備・空港保安警備などの1号警備を主業務とする。

同社はシフトマックスと給与システムを連携させて、隊員の「給与計算の自動化」を実現した。人事部の山口哲司部長と同人事課・山口一馬課長に話を聞いた。

同社は以前、隊員の給与計算のために、勤務予定表と毎月集められた勤務票(実績)を突き合わせて確認する作業を行っていて、数日間を要していた。膨大な作業時間と作業負荷のほか、手作業によるヒューマンエラーも発生し、課題となっていた。

2018年にシステムの導入を計画し、3社のシステムが候補にあがった。(1)出力帳票の変更などシステムを柔軟にカスタマイズできる(2)管理画面が使い慣れたエクセルベースで社内資料などへの二次加工がしやすい――の2点から、シフトマックスに決定した。テストを重ねて19年に導入し、従来の手作業による入力作業と2〜3か月間の並行稼働を経て同年9月、本稼働に至った。

システム化が決まった当初は、各拠点の管制担当者や警備責任者などに戸惑いがあった。そのため首都圏エリアの支社に対しては、本社から出向いてシステムの説明会を開いた。それ以外の地域の支社には、操作方法などを記した社内マニュアルを作って送付し対応してもらった。管理画面が見やすいデザインであり、操作方法も難しくないため、順調に浸透していった。

隊員の勤務状況は管制担当者と現場責任者、事務担当者の3人がリアルタイムに共有し、大量の確認作業を月末に集中的に行う必要がなくなった。手入力もなくなったことで作業が効率化され、担当者は違う業務を行うことができるようになった。

山口哲司部長の話 私はシフトマックス導入時は支社に勤務していました。月末の締めの時期の確認は大変な作業でした。隊員からの夜間の電話報告を受けるために管制も夜間待機する必要がありました。導入後は、それら作業負担が大きく軽減されました。

山口一馬課長の話 システムを運用する中で、帳票のレイアウト変更など多くの要望をKYODOUに出させてもらいました。その都度、迅速に対応していただき、当社が想定した結果を実現してもらっています。今後はシフトマックスの機能をさらに幅広く有効活用していきたいです。隊員からの年次有給休暇申請や通勤費申請のシステム化、クライアントとの契約内容と配置実績が合致しているかなどの検証にも活用したいと思います。

労務管理から損益管理まで幅広く活用

コアズ(名古屋市中区、加藤僚社長)は従業員数約6800人、機械警備やイベント警備、貴重品運搬警備などの業務を行う。

シフトマックスは勤怠管理をはじめ労務管理や損益管理まで、幅広く活用されている。営業部の二階堂正幸部長に話を聞いた。

同社はシフトマックス導入前、勤怠管理用のあるパッケージソフトを使っていた。しかしシステムのレスポンスが大変遅いことと、自社の運用に合わせたカスタマイズができないことが課題だった。

KYODOUから提案されて2018年にシフトマックスを導入。(1)使い慣れたエクセル画面(2)直感的に操作ができる画面デザイン(3)二次加工がしやすい――などが決め手となった。

導入後、次のような効果があった。

登録した全隊員データから業務の適任者を配置できるようになった。これまでは各担当者が紙ベースの名簿を見ながら隊員を管理していた。導入後は全担当者で情報共有し、人員のスムーズな配置が可能となった。

過去には一人の隊員に配置が重複するダブルブッキングがあった場合、その隊員は後から聞いた情報に従って勤務するため、最初に決まっていた現場が欠員になることも。こうした配置ミスはシフトマックス上では起こり得ない。

管理者は長期的なシフトの予定がたてやすい。大規模イベントなどで全員が出勤する日を、あらかじめ押さえることができるようになった。その日に予定がある隊員が事前に申告、登録することで調整が容易になった。

勤務場所や日時などの予定変更があった場合、以前はFAXや電話で伝えていたが、隊員のスマホに送信可能となった。

システム導入以前は隊員からの上・下番報告を電話で受けていたため、管制の電話が同時刻に鳴り続けて受けきれない状況だった。導入後はスマホの打刻による報告をPC画面上で管理可能となった。報告がなければその隊員に連絡し、遅刻欠勤の場合は、別の隊員を配置するなどの対処が可能になった。電話を受ける人員が削減され、電話応対にとられていた時間を現場の巡察などに充て、通信費(電話代)も不要になった。

労務管理面では、年次有給休暇の取得状況を自動管理できる。有給の付与や取得、有給単価などを自動計算できるため事務処理作業の負担が軽減した。

隊員の給与明細は導入前、封筒に入れて各自の自宅に郵送していたが、PDF化した給与明細を隊員のスマホに配信できるようになった。郵便料金が不要となりペーパーレス化による経費削減も実現した。

初めての勤務地の場合、隊員のスマホに地図の画像データファイルを添付して送信し、確認できるようになった。

シフトマックスは損益管理にも役立っているという。直接人件費に法定福利費や営業管理費などを乗せ、「現場ごとの月次利益率」を月締めのタイミングで出すことができる。もし請求漏れや未計上の業務があった場合、早期に対処することが可能となる。価格交渉を検討するための材料にもなる。

二階堂部長の話 勤怠管理から損益管理、つまり警備業務の最初から最後まで活用しています。今後は経理システムとの連携強化を図りたい。シフトマックスにはオプションサービスとして「週払い制度」があると聞いています。当社は月給制ですが、今後は週払い制も取り入れて、雇用拡大にも取り組みたいと思います。

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