家の防犯
ニーズに応え続けよう
空き家の増加が社会問題になっている。総務省が行っている5年に1回の調査によると、2023年時点で全国の空き家は約900万戸。18年からの5年間で約51万戸増え、過去最多を更新した。
空き家は、老朽化による倒壊のリスクがあるだけでなく、人目に付きにくいことなどから、侵入窃盗や放火のターゲットになりやすい。地域の治安を守っていく上でも空き家の管理・防犯対策は重要だ。警備会社が昨年行った意識調査によれば、実家が空き家になることに不安を感じている人は全体の半数にのぼっていた。
刑法犯認知件数は、新型コロナが沈静化した22年から増加に転じている。犯罪種別でみた場合、窃盗が最も多く、警察庁のまとめで25年は約51万件。4年連続で前年を上回った。
窃盗の発生場所別で空き家は約1万4000件で、統計を取り始めた20年との比較では4倍増になっている。
警備会社は空き家の管理・防犯対策を提案している。具体的には破損か所、ごみの不法投棄の有無を確認する定期巡回のほか、郵便受けの投函物の回収、室内の換気や、不審者が侵入した際に警備員が駆け付けるサービスなどだ。人口減などで空き家のさらなる増加が見込まれる中、空き家を適切に管理し、犯罪被害を防ぐための警備ニーズは高まっていくとみられ、それに応えていくことが期待される。
一方、住宅を狙った凶悪な強盗事件が相次いでいる。警察庁が治安上の脅威と位置付けている「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」が事件に関与しているとされる。
住宅リフォーム推進協議会は、国土交通省や警察庁の協力を得て、住まいの防犯対策を整理したガイドブックを3月に発行した。対策の有効な視点として、(1)領域性(境界を明確にし、部外者の敷地内への立ち入りを防ぐ)(2)監視性(人の目や防犯カメラで不審な行動をチェックする)(3)抵抗性(短時間で突破されないよう窓やドアを強化する)(4)警報性(部外者の侵入を居住者や周囲の人に知らせる)――の4つを挙げた。
空き家と住宅の防犯は、時代とともに顧客ニーズが変わっていく。警備業の役割を果たし続けていってほしい。
【伊部正之】


