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9月21日号 警備業ヒューマン・インタビュー

9月21日
読了時間: 4分

田邊中さん(神奈川警協新会長 KSP代表取締役社長)

会員拡大へ存在価値高める

都道府県警備業協会の2026年度定時総会で就任した新会長を順次紹介する。

《神奈川県警備業協会会長に就任されました》

岩野経人前会長(国際連邦警備保障)は会員間の融和を掲げ、青年部会、女性部会を立ち上げるなど改革を進めてこられました。会員会社にも声を掛け、行事に参加する機会をつくり、総会や懇親会への参加法人は130社を超えました。これは岩野前会長の功績です。その勢いをしぼませず、協会をさらに盛り上げていく覚悟です。

父の田邊龍美(KSP代表取締役会長)もかつて協会長を務め、親子二代で同じ役を担うことになりました。父からは、周囲の話を聞き、賛同者を少しずつ増やして進めなさいと言われています。

《会長として具体的に取り組みたいことは》

都道府県協会の主な収益事業は警備業務検定や新任教育、現任教育の研修です。ここに新たな柱を作りたい。収益事業をつくって収益を増やすこと、会員を増やすこと、この二つを当面の柱にします。

県への予算要望や陳情も行ってきましたが、要望だけでは難しい。むしろ業界が県民に何を提供できるかに焦点を当てたい。神奈川は海のある県で、津波対策やビッグレスキュー(総合防災訓練)にも参画してきました。ただ、県のパートナーとしての役割はまだ弱かった。防災計画の書面上でも神奈川県警備業協会と明記いただけるようにしたい。それが協会の広報となり、県民に警備業を知っていただき、求職者を募ることにもつながります。

協会は社会との接点です。行政や県警など監督官庁と向き合い、警備員や事業者を広報する一方、社会が警備業に求めることを受け止め、会員に広げていく。これまでより一歩視野を広げる必要があります。

《今後の課題と目標は》

会員は現在およそ330社ですが、最盛期には380社ほど加盟していたと聞きます。全国の警備業法人数が増えている中で県内の会員数が減っているのは、県警備協会の存在感が下がっている表れだと思います。まずは、協会の存在価値を高める活動が重要です。

県内には700社程度の事業者がいると想定しています。その過半数に加盟いただき、県警備業の総意として行政に要望できるまで会員を増やしたい。

《警備業界に入ったきっかけは》

1987年に大学を卒業後、渡米し、ロサンゼルスで5年ほど生活しました。現地の大学を出て、仲間と日本人観光客向けの添乗員サービス会社を興しました。商売も順調で、警備には全く興味がなく、父の会社を継ぐことも考えていませんでした。

転機は92年4月のロサンゼルス暴動です。街に火がつけられ、銃声が響く中、赤く染まるダウンタウンを見ながら、昨日までの日常が一夜にして崩れ去るのだと思いました。安全と安心は当たり前ではない。真っ当に働けるのも、夢を持てるのも、安全で安心な環境があってこそだと感じました。

警察や消防、行政、市民の目、そして民間の警備会社が支えている。父の会社は価値のあることをやっているのだと初めて思い知り、数か月後に帰国。父に頭を下げ、27歳で入社しました。

入社後は2年弱、警備服に身を包んで24時間勤務に就きました。「横浜八景島シーパラダイス」開業では、一隊員としてプレオープンの大雨の中で誘導警備に当たりました。「よこはま動物園ズーラシア」の開園では、警備の営業担当としてフロントに立ちました。

《社長就任からは19年になります。最もうれしかったことは》

コロナ禍前から定期昇給を続け、価格改定を進めてきました。毎年4、5月には各支社の隊長会議に出席し、隊長と直接話します。当社では隊長が120人ほどいます。今年の隊長会議で、ある隊長から「隊員が『社長に会うなら、ぜひ、お礼を伝えてほしい』と話していた」と聞きました。「定期昇給する」と最初に聞いた時は信じていなかったが、毎年きちんと昇給して手取りが増えた、感謝している、と。この隊員の言葉が一番うれしかった。

県内で一番給料の良い警備会社になろうと言っています。

座右の銘は「義に明らかにして利を図らず」です。陽明学者の山田方谷の言葉だと聞いています。30代の頃、お客さまである航空会社の株主総会警備で一隊員として現場にいた際、同社会長の「正しいことに愚直にまい進すれば、社会が認め、必要な利益は手に入る」という趣旨の話に感銘を受けました。航空会社がそうなら、それを守る警備会社も同じだと思い、以来、座右の銘としています。社員にもそうあってほしいと思っています。 

KSP 設立:1969(昭和44)年2月 代表取締役社長:田邊中 本社:神奈川県横浜市中区山吹町1番地1国際山吹ビル 業務:1号・2号警備など 社員数:グループ計約4200人

ヒューマン・インタビュー

2026年9月21日号

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