災害対応
危険、直ちに避難を
「令和8年熊本地震」と「令和8年8月千葉豪雨」。猛暑の日本列島に災害が相次いだ。
宮城県警備業協会は8月に「大規模災害発生時の警備員避難基準」を策定し、会員に周知を図っている。災害対応の参考となるよう、協会の防災委員会が取りまとめたものだ。
地震による強い揺れや津波警報、大雨・洪水、土砂災害などで警備員が避難する基準を示すとともに、警備現場の特性を踏まえた具体的な避難基準・避難経路を定めて警備員に周知を図ることを呼び掛けている。
警備員の生命、身体に危険が及ぶおそれがある場合、ためらうことなく業務を中止し、警備員が自らの判断で次のような行動を取ることを促している。
「危険を感じたら、直ちに避難する」。
「安全が確認されるまで、現場に戻らない」。
大規模災害に対する備えが社会課題となる中、警備員の安全確保につながる取り組みは、一層求められる。
警備業界各社は、教育に力を注いで警備員の技能やプロ意識をより高め、質の高い業務を提供し発展してきた。災害が起きた時、警備員が持ち前の責任感、使命感、高い職業意識から業務を継続しようとして危険に巻き込まれる悲劇を防がなければならない。
全国警備業協会がウェブサイトで公開している「自然災害発生時における警備員の安全確保のためのガイドライン」においても、「警備業者にとっては、被災の危険が切迫しているときに警備員の安全を確保することは、労働安全衛生法(第25条)上の義務でもある」と指摘。契約先の許可や指示を待つことなく直ちに避難行動を取る必要があると注意喚起している。
熊本地震では、商業施設のテナントに勤務する22歳の女性従業員が屋外へ避難した後、施設内に戻ったところ爆発事故に巻き込まれ亡くなった。戻る際、レジの売上金を金庫に保管するよう指示されていたことが明るみに出て、会社幹部は謝罪した。
安全が確認されるまで現場に戻らない――など基本の行動について、警備現場の一人ひとりが共通の認識を持ち、いざという時に徹底できることは重要だ。予断を許さない災害の発生を念頭に備えを急ぐ必要がある。
【都築孝史】


