女性活躍
選ばれる警備業界に
警備業界では人材確保が大きな課題となっている。全国警備業協会は対応策の一つとして、2026年度事業計画に「女性警備員の活躍事例を発信し、多様な働き方の実現を支援することで、女性人材の参入を促進する」と記述した。
警察庁がまとめている「警備業の概況」によると、24年12月末時点で女性警備員数は約4万3000人。全警備員の7.3%だが、前年比で約2100人増えた。働く女性の増加や警備ニーズの高まりを背景に、女性警備員数は「伸びしろがある」と考えることができる。
政府の動きでは、今年3月31日が期限となっていた「女性活躍推進法」が10年間延長された。4月1日施行の改正法では、従業員101人以上の企業に新たに、女性管理職比率(25年時点=13.1%)の公表を義務付けた。また、男女間賃金差異(24年時点=男性100とした場合、女性75.8)の公表義務対象を101人以上300人以下の企業に拡大した。
自治体でも新たな動きがみられている。7月1日、東京都の「女性活躍推進条例」が施行された。
全国初となった条例の前文では、女性の大学進学率、就業率が上昇し、結婚・出産後に働き続ける女性が増加している一方、その個性や能力を職場で発揮しきれていないと指摘。経営方針や人事戦略に決定権を有する事業者の「主体的取り組み」が不可欠とした。
その上で事業者に対し、特定の性別に偏らない組織づくり、女性特有の健康課題への配慮などを努力義務として課した。「何から取り組めばいいか、分からない」との声に応えるため、都は指針も策定。採用や管理職登用などの段階ごとに対応ポイントを示した。地域や業種の枠を超え、参考にすることができる。
女性活躍のためには、働きやすい環境をハード面で整備することも大切と言える。トイレ環境が良くなかったことを理由に、屋外の現場で働いていた女性警備員が退職したことを受けて、ある警備会社は昨年、女性専用のトイレカーを導入した。車両は水洗トイレの個室や、鏡付きの手洗い化粧台などを備えたものになっている。
こうした取り組みをはじめとして、女性が安心して働ける職場であることを具体的にPRしていくことは、「女性に選ばれる業界」につながっていく。
【伊部正之】


